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1月 '10

息子達が登校する前になぜかインターフォンが。

こんなに朝早くなんだ? FEDEX? DHL? 日通のペリカン便? 

と、咄嗟の心当たりがすべて外資系というところに欧州生活の時間を感じます。

だってフランス企業、ちっともあてんなんないしさぁ。

と、ドアを覗けば「orange 」(フランスの電話会社)のロゴ入り作業着の若者が。

「マダム、おたくのインターネットは不通になっていませんか?」と来た。

「あなた、そうよ、じょーだんじゃないわよ、、、」と、文句の散弾を浴びせようとしたのですが、

なにやらやけに可愛らしい顔立ちの彼。

ゴールデンボーイの頃のブラッド・レンフロみたいな。

と、認識した途端に変わる声色の私はしっかりパリのマダム(おばさん)である。

「ええ、でも私バカンスで留守にしていたから、あまり問題ないわ」

ネットカフェでの年越しも忘れてそんな調子のいいことまで!

サロンの回線を修理してくれている間、なぜかわが家の駄猫がムッシューのまわりからまとわりついてはなれない。

しゃがみ込んで作業中の肩に飛び乗ったままごろごろとそこにうずくまる。

「あらあら!ごめんなさい! ひょっとして猫飼ってる?」と聞けば「2匹飼ってます。猫大好きだからだいじょうぶです!」とのこと。

なるほど。

これは「あたり」がいい。

可愛い顔立ちと猫に好かれる体臭、そしてなんといっても若くて感じの良い笑顔と、普通に丁寧なフランス語。

こんなのが「すみません、ネットつながらなくて」と言いに来たら、まず昼間在宅のマダムやアパートの管理人マダムたちには大変な好印象であろう。

突然つながらなくなったネットに迷惑してる人間たちがこぞって電話をかけまくった年末年始のorangeカスタマーサービスは、いつ何時(なんどき)も生身の人間にはつながらなかった。

だからネット利用の出来なくなった人間は怒髪天に違いなく、いらいらしながら、それでも四割方は諦めてネット不自由の生活に慣れ始めていたバカンス明けに!

やってきたのがこの可愛いジョンノム!(jeune homme・若い男性)だもの!

この子に(私からみたら充分に「子」という年令に見受けられる)クレームの散弾を浴びせることのできるマダムは、まぁこの辺りにはまずいない。

みな一様にサンパな笑顔で迎え入れ、人によっちゃぁお茶まで出して彼の足労をねぎらうだろう。

充分なサービスを提供できなかった年末年始の失態は、この子のお陰でチャラである。

私だって例外に漏れず、彼のサンパぶりに感心したし、若くて可愛い子がわが家の猫と遊んだり、壁にある次男の「作詩」を褒めたりするのを気分よく受け止めたバカンス明けの午後だった。

ネット、これでつながりました、だいじょうぶです。問題ありません。

と、立ち上がる彼に「え?もういっちゃうの?」と言いたい気持ちを抑えて「どうもありがとう」と握手。

自宅にやってきた修理人とそれに対応するマダムがよんどころなくなる、

というのは欧米の昼メロによくある設定だけど、この子相手ならこっちが得した気分になっちゃうよなぁ。

そういえば、以前こちらの不手際でモデムを故障させてしまったときに来てくれたorangeの修理人はひどくむさ苦しいオッサンだった。

あんなのとじゃあ一度のアバンチュールはあり得ない。

なんてことを脳天気に考える。

今週は雪が降り続くパリの天気予報。

寒いはずだぁねぇ、と猫を抱えて暖を取っている。

2 Responses to “パリ・orangeの商業戦略?!”

  1. ココア Says:

    わかりますー! 
    いいことありましたね♪♪
    その素敵な彼とのひとコマ、コメディ映画のひとコマみたいで、oui ouiさんもチャーミングだなぁ…なんて思っちゃいました!

    若々しい、清々しい青年も素敵ですが、クラーク・ゲーブルみたいな渋いおじ様も好きです…。

  2. mme.oui oui Says:

    ココアさま
    うふふ。チャーミングと言われてにやにや喜んでいるところです。えへへ
    私も自分の年令に応じるように、好みの男性の年令が上がっています。
    今一番好きなのはフランスのコメディ俳優のダニー・ブーンとカド・メラッド。渋くはないけれど「チャーミング」という言葉がピッタリの40代男性です♪

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