リピーターのお客様たち

最初はおっかなびっくり、度胸と突貫だけで始めてしまったこの仕事が8年も続くとは思っていなかった。

無尽蔵に拡がるネット世界の中から、わざわざ私を選って来て下さったお客様達のお陰で続けられたといっていい。

御縁があって二度三度と、パリご訪問のさいに同行を依頼されるリピーターの方達もたくさんいて、

なにはともあれありがたいことだと、常に感謝の気持ちをもって承らせて頂いている。

先日「2008年にお世話になった者です」という連絡を受けた。

メールを読めば、当時パリへ娘さん連れでいらしたお母様からで、あの時わたしがベビーシッターを請け負った11歳のお嬢さんが、なんと今年の夏にパリへ一人旅をするのだという。

子どもの成長という速さに驚かされることが大変多い最近だけれど、他所様のお子のそれは己の処より数倍も速いのだ、と改まる。

彼女の母親が仕事でパリを留守にしている間、私と一緒に私のアパートでおやつを作ったり、絵を描いたり、散歩したり、夕飯の買い物をしたあの子が、12時間も飛行機に乗ってこんな遠い外国へやってくる!

初めてのお客様も、何度目かのお客様も、おなじように御縁のありがたさを感じるこの仕事であるけれど、

とりわけ「ベビーシッター」させていただいたお子様たちとの御縁には「成長の時をいっしょに過ごす」責任が加わるためか、あとあと思い出して嬉しい気持ちと思い出が溢れるようになる。

何百人の方達のパリ旅行のお手伝いをさせてもらったかわからないけれど、子ども達の顔だけは不思議と記憶から薄れない。

今年の夏にやってくる彼女も、11歳の顔立ちをはっきり覚えている。

バレエを見たくてやってくる彼女はどんなお嬢さんに成長しているのか。11歳の面影を残したまま美しく伸びやかに成長しているのだろうと想像して、今から楽しみで仕方が無い。

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